モリッソ・グロスマンという時計を知っていますか?
モリッソ・グロスマンは、19世紀に活躍したドレスデン生まれの時計師です。
今回は、モリッツ グロスマン ベヌーは徹底的に手作業にこだわる超マニアック高級時計でその魅力についてお話しします。
モリッツ・グロスマンの魅力とは
モリッツ・グロスマンは、若くして才能を発揮し、友人であるアドルフ・ランゲの勧めもあって、1854年、グラスヒュッテに自らの工房を開設しました。
彼は同地の伝統を重んじつつ、独自のアイデアも盛んに取り入れ、懐中時計や精密振り子時計、クロノメーター脱進機、デテント式のトゥールビヨンなどを数多く手がけています。
また、それらハイレベルな作品を生み出す一方で、政治・社会的活動にも勤しみ、1878年にはドイツ時計学校を設立しました。
後進の教育につとめたが、85年にこの世を去り、工房も解体されてしまうのです。
時を経て2008年、彼の意志を継いだクリスティーネ・フッターがブランドを再興します。
A.ランゲ&ゾーネやヴェンペで培った経験を活かして、グラスヒュッテで新たに時計製造をスタートするのです。
A.ランゲ&ゾーネはこちら▼

そのコンセプトはマニュファクチュールの原語である「manu factum(マヌファクトウム)」。
ムーブメントパーツの8~9割を自社で製造し、手作業を基本とした伝統的製作手法により「ベヌー」「アトゥム」「テフヌート」などの高品質コレクションを展開しました。
モリッツグロスマンのアトゥムとベヌーについてはこちらも▼

そして日本にも上陸し、目の肥えた時計ファンたちから熱い視線を集めているのです。
再生のドレス時計「モリッツ・グロスマン(ベヌー)」
まるで懐中時計のような古典的意匠の2針+スモールセコンドです。
針は焼き戻しによる独特のブラウンバイオレットカラー。
手巻きの自社製キャリバー100.0を搭載しています。
・径41mm
・18KRGケース
・アリゲーターストラップ
・日常生活防水
・定価270万円
19世紀にグロスマンが製作した懐中時計の仕様を受け継ぐムーブメント。
最大の特徴は、ベースプレートと2/3プレートを、ジャーマンシルバー製のポストでつなぐ支柱構造(ピラーストラクチャー)です。
実用性とメンテナンスを重視した伝統的スタイルでかっこいいです。
ムーブメントの85~ 90%を自社ファクトリーで生産しています。
CNC旋盤やワイヤ放電加工機などの最新機器で型抜きされたパーツは、熟練の職人たちによって手作業で組み立てられるのです。
また、それぞれのパーツは個別に取り出すことが可能で、メンテナンスもしやすい構造になっています。
伝統と革新を織り交ぜ、世代を超えて受け継がれる時計作りが行われているのです。
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